メールでのお問い合わせはこちら

ブログ36 9月の行事 お彼岸

ブログ36 9月の行事 お彼岸

毎年お彼岸の頃になると、「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだと毎年納得してしまいます。

春のお彼岸には、冬の厳しい寒さも一段落して、三寒四温を繰り返しながら暖かくなっていくのだとホッとし、ウキウキと気分も高揚していきます。

秋のお彼岸は反対に、寒さに向かって緊張感と寂しさを覚えます。あれだけ暑い暑いとぼやいていたのに、行く夏に名残惜しさを感じたりするものです。

 

ところで、お彼岸とは何でしょう?

仏教はインドから中国を経て日本に伝わったものですが、お彼岸は日本が起源の仏教行事なのだそうです。春のお彼岸も秋のお彼岸も、「春分の日」「秋分の日」をはさんだ前後3日間を含めた計7日間で、最初の日を彼岸の入り、最後の日を彼岸の明け、真ん中の春分の日と秋分の日を彼岸の中日(ちゅうにち)と言います。

 

仏教的には、三途の川をはさんで向こう岸が彼岸(ひがん)、こちら側を此岸(しがん)と呼び、彼岸は簡単に言えば「あの世」であり、西に位置する仏様がおわします極楽浄土。此岸は「この世」であり、東方に生きて日々暮らしている現世です。

春と秋のお彼岸には、太陽が真東から昇り真西に沈み、昼と夜の長さが同じになります。この時期が、彼岸と此岸がもっとも近くなり通じやすい日として先祖供養の日となったようです。

 

先祖の供養と言えば、前々回にご紹介した「お盆」もあります。お盆とお彼岸の違いがどこにあるかと言うと、お盆は母への報恩が元となって先祖の霊を慰めるのが主たる目的ですが、お彼岸は極楽浄土へ行くための修行をおこなう期間なのです。

 

みなさんは六波羅蜜(ろくはらみつ)と言う言葉を聞いたことはおありでしょうか。京都で千年以上前に開創された六波羅蜜寺のホームページには「六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための六つの修行をいいます。波羅蜜とは彼岸(悟りの世界)に到ることです」と書かれています。

この六つの修行を日常の言葉に替えてみますと・・・・・・

 

1 布施(ふせ)   お布施と聞くとお金を包んでお寺にお渡しするイメージがありますが、無財の施と言うのもあります。

例えば、和顔施;にこにこ笑顔は他人を幸せにします。

席をゆずることや道案内など他人に親切にすることも施なのですね。

 

2 持戒(じかい)  教えを守る事 戒めやルールを守る事

 

3 忍辱(にんにく) 我慢する心 忍耐

 

4 禅定(ぜんじょう) 心の静けさ 穏やかな気持ちで毎日を過ごすこと 平常心

 

5 精進(しょうじん) 努力する事 真面目に取り組むこと

 

6 智慧(ちえ)   自分に与えられた知恵を正しく使うこと

 

お彼岸の前半の3日間で六波羅蜜の三つを実践し、中日には自分の家の宗派の教えを学び

後半の3日間は残りの三つを実践するのだそうです。

でも、この六波羅蜜、言葉は難しいのですが、特別な厳しい修行を強いてはいないと思いませんか? あらためて見直してみますと、子どもたちにもできる、まさにマナーズそのものだと私は思いました。

私自身、ジュニアマナーズ協会認定マナー講師として、子どもたちと共に、これらが自然体でできるように努めていきたいと、心を新たにしているところです。

協会認定マナー講師 清水法子

15年程前に着物の着付けと同時に「和服和室を中心とした和の礼法」講師の資格を習得致しましたが、偏った知識だと感じ、子ども達の生活に密着した現代のマナーを知りたいと思い受講致しました。