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ブログ30 夏の行事 お盆

ブログ30 夏の行事 お盆

お盆

お盆には帰省して、親族の集まりに参加するという方もいらっしゃると思います。

お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。これは、先祖の霊を迎え、供養し、またあの世へ送り出す行事のことです。

お盆の起源は、「盂蘭盆会」という経典に書かれた説話だと言われています。

 

『釈迦の弟子である目連が、地獄に落ちた母を救うため、釈迦に教えを乞うたところ、僧侶の修行が終わる7月15日に僧侶をご馳走でもてなし、供養するよういわれました。目連がその通りにしたところ、母が救われたということです』

 

これが、日本に伝わり、日本では推古天皇が初めてお盆の行事をしたといわれています。

 

お盆の時期は、7月、8月で大きく二つに分れます。新暦、旧暦の違いとも言われますが、本来は7月に行なわれるもので、暦が旧暦から新暦に変わったとき、新暦の7月15日が当時の農家にとって繁忙期にあたったため、旧暦のままで8月に行なわれている、ということもあるようです。お盆は、お正月に並ぶ大切な行事でした。お正月は歳神様を、お盆はご先祖様をお迎えするため、暮れだけでなくお盆前にも大掃除を行うものでした。

 

お盆の行事は地域や宗派によって異なりますが、一般的なものをご紹介しておきましょう。

 

13日の朝:盆棚を飾ります。

夕方:迎え火を焚き、先祖の霊をお迎えします。

14日~15日:盆棚に食事をお供えし、僧侶にお経をあげてもらいます。

16日:送り火を焚き、先祖の霊を送ります。

(以上「これだけは知っておきたい年中行事の常識67」長沢ヒロ子著より)

 

私がお盆の行事で印象に残っているのは、盆棚に飾る精霊馬です。これは、馬や牛をきゅうりやナスで作ったものです。

「ご先祖様がそれに乗ってあの世から来て、またあの世に帰っていく」といわれ、少しでも乗り心地がよいように、脚になるつまようじ(芋がらや割り箸、竹串を使うところもありますね)をさす位置を一所懸命に考えたのを覚えています。

両親を含め10代遡ると先祖は1746人にもなります。この中の誰一人欠けても私は存在しなかったわけです。今では、お盆の行事をすることはなく、してもお墓参りに行くぐらいですが、私が今存在するのは先祖あってこそです。お盆の行事はできなくても、先祖への感謝の気持ちをもって過ごそうと思います。

皆さまもお盆の時期には故人に思いをはせ、思い出話などして過ごしてはいかがでしょうか。きっとそれだけでも大きな供養になることと思います。

 

協会認定マナー講師 菊池乃里江

:受講動機:

電車やレストランで見かける子どもたちの態度に疑問を感じることがあり、子どもたちに正しいマナーを伝えたいと思ったことがきっかけです。