メールでのお問い合わせはこちら

ブログ21 五月晴れ

ブログ21 五月晴れ

春から夏へと移る季節の変わり目。朝夕の温度差に1日の服装をどのようにするのか悩むことはありませんか? 朝、肌寒いかと思えば、お昼には夏のような気温まで上がる日もあります。そして夕方には寒さが戻り突然、雨が降ることも。五月の特徴ですね。

さて、これまで端午の節句、鯉のぼりや菖蒲や兜についてお話をさせていただきましたが、今回は季語としての[五月晴れ]について触れてみたいと思います。

 

日本では、あいさつの時に「今日はいい天気ですね」「あいにくの天気ですね」など、天候や気候について話します。ではなぜ、あいさつに天気の話をするのでしょうか?

日本には移り変わる四季があり常に変化があります。逆に言うと、気温や風のわずかな変化も敏感に受け止めることができる。これは日本人らしい感性です。この感性を共有すること、共感しあうことを大切にするがために、自然にあいさつになっていったように思います。

 

日本の長い歴史の中でも、季節にまつわる言葉は大切に使われてきました。たとえば、俳句を楽しまれる方にとっては、季節を表わす「季語」はとても身近なものでしょう。

ただ、この季語の一つでもある「五月晴れ」の「五月」とは、旧暦の五月のこと。つまり今の六月にあたり、まさに梅雨の時期です。本来の「五月晴れ」とは、梅雨の晴れ間のことを意味するのです。

ところが、いつの間にか誤って「新暦5月のさわやかな晴れの日」を表わすのに使われるようになり、それが広まり、広辞苑にも

 

  1. さみだれの晴れ。梅雨の晴れ間。
  2. 5月の空のはれわたること。また、その晴れ渡った空。

というふうに記されるほど、一般的になってきました。言葉は時代と共に変化する、ということがよくわかりますね。

 

今回は「五月晴れ」をご紹介しましたが、お手紙やメール、SNSなどでも、積極的に季節の言葉を楽しみませんか?

お手紙では頭語の「拝啓」からはじめて時候のあいさつが続き、本文、そして結語「敬具」と続くのが基本。ただ、この形式で書くとかなり堅苦しい印象になってしまうのも確かです。そこで、時候のあいさつから始めると、少しだけカジュアルな印象になります。

時候のあいさつには二十四節気にまつわるものが用いられますが、これにこだわらず、自分らしい言葉を見つけてもいいでしょう。「暑いですね」「寒いですね」という季節に対する共感から始めるお手紙は、心を伝え合うのにぴったりではないかと思います。

協会認定マナー講師

ことばと同様に思いやりの心も伝わっていくと感じています。心こそ大事であると子供に伝えられるマナーズは自らも学ぶ事がたくさんあります。我が子に伝えられる自分になりたいと思い受講しました。