ブログ18 端午の節句 鯉のぼり
ブログ18 端午の節句 鯉のぼり
鯉のぼり
新緑の今、5月の爽やかな青空を泳ぐ鯉のぼりを見かけます。色鮮やかな大小の鯉に皆様の記憶が呼び覚まされるのではないでしょうか。
私も幼少の頃、空に泳ぐ鯉を見て喜んだことや、学校の帰り道に家々の鯉のぼりを見ては童謡を歌ったことを思い出しております。
鯉のぼりの起源は古く、中国の故事「登竜門」に由来しているそうです。天に昇っていく竜になったのは、竜門という上流の滝を登りきった鯉だけだったとか。その鯉のように、わが子も強くたくましく成長して、竜になって欲しいとの願いを込めて作られたのが鯉のぼりでした。
でも、現在の色とりどりの鯉のぼりが作られるようになったのは昭和になってから。明治初期は、大きく黒い真鯉のみでした。それが明治後期には真鯉と赤い緋鯉が対になり、昭和に入って青い鯉も加わって、真鯉=父、緋鯉=母、青い鯉=子どもと、家族を表わすようになったそうです。最近では少女を表わすピンクやオレンジの小さな鯉も加わって、その家の家族構成を表わすような鯉のぼりもありますね。
男の子が生まれると、初節句では兜や鯉のぼりを飾る楽しみ、喜びがありましたが、現代では住環境、生活スタイルの変化により少し様子が変わってきたようです。
たとえば、マンションやアパートなどの集合住宅では、落下物の危険などからベランダに鯉のぼりを飾ることを禁じているところが少なくありません。また、共働きが増えていることから、天候の変化によってこまめに中に入れたり、外に出したりということができないため、祖父母がお祝いに購入しようとしても断られる場合があるようです。
また、大きな鯉のぼりが下の階に垂れ下がり、洗濯物を汚したり、日陰を作ってしまったりと、迷惑をかけるケースもあるとか。さらに、お互い様という気持ちの余裕が少なくなった感じはしますが、竿の先についている球や矢車が、風で回るときに立てるカラカラという音がうるさいと、苦情に発展することもあると聞きます。
このような背景を受けて、鯉のぼりも多様化。ベランダ専用のコンパクトなもの、室内に飾る陶器製や、ぬいぐるみのようなものも出てきています。
祖父母は、孫の誕生にはやる気持ちを抑えて、若夫婦がどうしたいのか、意向をきいてあげてほしいと思います。また、若夫婦の方も、できるだけ早めに希望は伝えるようにした方がいいですね。この機会に、初節句をどのように祝うのか、みんなで話し合うのもいいのではないかと思います。
毎年五月の空に泳ぐ鯉のぼり。ご家族の「元気に育て!」という願いを乗せて、空を泳いでいるようにも見えます。
周りの人への思いやりの心も添えて、みんなで端午の節句が楽しめるといいですね。
協会認定マナー講師 馬場敏子
ことばと同様に思いやりの心も伝わっていくと感じています。心こそ大事であると子供に伝えられるマナーズは自らも学ぶ事がたくさんあります。我が子に伝えられる自分になりたいと思い受講しました。