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ブログ14 春の行事「お花見のマナー」

ブログ14 春の行事「お花見のマナー」

関東地方ではソメイヨシノの開花宣言が届き、いよいよ春本番ですね。

春には様々な花が咲きますが、桜は別格だと感じます。

3月も半ばになると、天気予報では桜の開花予報も流れ、九州の開花宣言を皮切りに、各地の開花状況が知らされます。これだけ時間を割いて桜のことを取り上げるのは、日本だけのようです。

 

そして、桜と言えば、満開の花の下でのお花見。

奈良時代にお花見が行われるようになった当初は、貴族の楽しみであり、桜ではなく中国から伝来した梅の花を愛(め)でて楽しむものだったそうです。その後、平安時代になって梅から桜に人気が移り、宮中では定例行事として取り入れられるようにもなったとか。

※諸説あります。

私も若い頃から何度もお花見を楽しんできました。おいしいお料理やお酒を楽しみながら、楽しいおしゃべりに興じ、ときには歌や踊りまで。昔も今も、楽しみ方は同じなのかもしれませんね。

ただ、お花見では残念なことがいくつか。

一つ目はやはり度を超えた盛り上がりでしょうか。

お酒が進むと共に声が大きくなり、大音量でのカラオケが始まり、さらに酔った勢いで近くの枝を手折って振り回すなど、どんどんエスカレートしていきます。当人たちは楽しくても、行きすぎた盛り上がりは周りの人の迷惑です。自分たちが楽しめばいい、というのではなく、周囲の人にも配慮した楽しみ方ができるといいですね。

二つ目は後始末です。

美しい花を楽しませてもらったのですから、自分たちが使ったエリアは来た時よりもきれいにして帰るつもりで、きちんと後始末をしたいものです。

心ある方たちは、当然自分たちのゴミはまとめて、所定のゴミ捨て場まで持って行かれることと思います。ただ、ゴミ捨て場を見ていると、きちんと分別して、かさの高いものはコンパクトにつぶして捨てておられる方と、なんでもかんでもゴミ捨て場に投げ込んで行く方がいらっしゃるようです。たくさんのゴミが出る場所ですから、前者のようにすると後からきた方も、通り過ぎる方も気持ちがいいのではないでしょうか。

また、最近ではゴミ捨て場を設けず、お花見で出たゴミは持ち帰りを原則にしている公園もあります。「そんなの知らなかった」「ゴミなんか持ち歩きたくない」とばかり、自動販売機の脇の空き缶入れにゴミを押し込んだり、帰路のコンビニや駅などのゴミ箱に放り込んで行く方もいらっしゃるようです。でも、「持ち帰り」とは、家まで持って帰るという意味。みんなで楽しんだ後は、後始末もきちんと分担して、家まで持ち帰って処分しましょう。

そして最後に、ちょっと気になることがもう一つ。

大きな公園では、場所取りのためにあちこちにシートが広げられていることがあります。

限られたスペースなので仕方がないとは思うのですが、せめて桜の木の根元は避けるようにしませんか? 大勢の人が根元の土を踏み固めてしまうことは、樹にとってはあまりよくないことです。来年も、その次の年も、毎年桜が元気に花を咲かせてくれるよう、桜へも思いやりが持てるといいですね。

最近は、わざわざ日本へお花見をしに来る外国の方も増えているそうです。みんなで気持ちよく桜を楽しめるよう、きちんとマナーを守り、日本の良さをアピールしたいものです。

 

協会認定マナー講師 安達裕世

◎マナーとは他人へのおもいやり。日々の生活の中で自然に身につけるのが一番です。とはいうものの、私自身「知らない」「わからない」ことがたくさんありました。若くして身につけたマナーは一生ものです。自戒も込めて、子供たちに伝えたいと思い、養成講座を受講しました。