ブログ31 夏の行事 盆踊りと浴衣
ブログ31 夏の行事 盆踊りと浴衣
私が小学生の頃、夏休みの大きな楽しみの一つが盆踊りでした。
盆踊りの日には日中お友達と遊んでいても、夕方になると「またね」「あとでね」と一旦自宅へ帰り、浴衣を着せてもらいました。それから盆踊り会場に行き、また友人と合流、皆で輪になって踊ったものです。盆踊り会場では、いつも見慣れたおじさんやおばさんが、きりりと浴衣を着て踊っておられ、その姿を見て子ども心にも格好良いなと思いました。
今回は、盆踊りと浴衣をテーマにお送りします。
盆踊りは、今では皆で楽しく踊る娯楽のようになっています。でも、本来はお盆に迎えた先祖の霊を慰め、また無事に天に戻るように送り出す行事でした。生きている人が霊と一体となって踊り、生きている喜びを味わい、先祖に感謝するという目的もあると言われています。
盆踊りにはいくつかの種類がありますが、代表的なものは2種類です。
一つは櫓(やぐら)の周りで輪になって踊る「和(輪)踊り」です。私が小さいころに参加していた町内会の盆踊りはこれでした。
そしてもう一つは「行列踊り」で、有名なのは徳島県の阿波踊りですね。踊り手が行列になって町を練り歩きます。阿波踊りを観に行った人に聞くと、近くで見るとその熱気に圧倒されるほどの迫力があるそうです。
さて、盆踊りには浴衣で参加するという方も多いことでしょう。
今では、日常的に和服を着る方は少ないと思いますが、浴衣なら気軽に袖を通すことができますね。普段とは違った装いをすることを、楽しみにしておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、せっかく浴衣を着るのですから、できれば、美しく、格好良く着たいですね。
そこで、浴衣の着方のコツと所作のちょっとしたコツをご紹介したいと思います。
着方のコツ
① 衣紋を抜く
衣紋を抜くというのは、襟元をしっかりと見せること。もともと湯上りに着るものでしたので、若い人でも浴衣だけは衿を首元から離すように涼しげに着ます。
② 下着をつける
汗が表にでないよう和服用の下着を付けます。無ければ洋服の下着でも良いでしょう。
③ 足袋は履かない
踊りのお稽古などは別ですが、普段は素足に下駄を履きます。
所作のコツ
- 歩幅は小さく!
洋服を着ているときのように大股で歩くと、前がはだけてきます。なるべく歩幅は小さく、女性はやや内股で歩くとよいでしょう。
- 袂(たもと)を意識する!
- 浴衣には、洋服と違って袂があります。最初は慣れないでしょうが、食事時など、遠くのものを取るときは、袂をおさえるようにしましょう。
- 背筋を伸ばす!
- 座ったときも立ったときにも、お腹に力を入れて、背筋はスッと伸ばします。これだけで、ずいぶんと美しく見えるものです。
今年の夏は、格好良く浴衣を着て、盆踊りに参加してみてはいかがでしょうか。
協会認定マナー講師 菊池 乃里江
講師養成講座の受講動機
電車やレストランで見かける子どもたちの態度に疑問を感じることがあり、子どもたちに正しいマナーを伝えたいと思ったことがきっかけです。