ブログ20 五月人形
ブログ20 五月人形
五月人形
新緑のまぶしい季節となりました。
少し前のことになりますが、GW最終日の6日、近所の老人ホームに立ち寄ったときのことです。受付カウンター横には、端午の節句の兜が飾られていました。また、通路には武者人形も並べられていて、季節を感じられる素敵な空間となっていました。
時折ボランティアで訪れるこの施設は、1年を通し、お節句や母の日・父の日・七夕・十五夜・クリスマスなどの行事に合わせた装飾が行なわれています。季節ごとに変わるディスプレイは、入居者の皆さんを楽しませると共に、訪問者である私たちも笑顔にしてくれるのです。
さて、この五月人形には、どのような意味があるのでしょうか?
兜や甲冑、弓、太刀などを身につけた、勇ましい男の子の姿は、健やかな成長を願う親の気持ちを表しています。何かあっても人形が身代わりとなり、わが子を守ってくれるよう、病気や事故などの災厄を逃れ力強く成長してほしいと願いが込めて飾られるようになったと言われているのです。
そのため、本来五月人形は、子ども一人に一つ用意するものとされています。しかし、男の子が続けて生まれたら人数分の兜や甲冑を並べるの? と考えると、住居スペースの問題もあり、頭を悩ませてしまいますよね。
そんな時代背景を反映して、現在では兜飾りや武者人形が様々なスタイルに変化しています。立派な姿の物から箱やガラスケースに収まるコンパクトな物、陶器、お手頃な価格のキャラクター武者人形など、予算とスペースに合わせて自由に選べるようになっているのです。中でも私が驚いたのはドラえもんの武者人形。武将姿でも容姿がかわいらしく、またドラえもんの心のやさしさも感じられて、現代らしい五月人形だなぁと感心しました。
子供の幸せを願う人形に大きさは関係ありませんから、しきたりにこだわりすぎず、ご自身の状況に合わせたものをお選びになるといいのではないかと思います。
それではその五月人形は、誰が準備するものでしょうか?
地域差もあるようですが、昔は母方が贈ることが多く、それには初節句の人形を届けるのを口実に、娘の婚家先を訪ね、娘が元気にしているかどうか確かめると共に、孫の顔を見るという目的もあったようです。
でも、今は家族構成、住居の状況、好みが多様化しています。できたら初節句を迎えるお子さんのご両親である若夫婦が主導して、両家を調整することをおすすめします。祖父母の方でも、独断で購入せず、ひと言相談するようにしたいですね。
双方の祖父母との関わりを大切にしつつ、みんなで子どもの成長を祝い、喜び合うことが一番ではないでしょうか。
考えてみれば、今は5月5日に端午の節句を祝いますが、旧暦では今年は6月7日。わが子の健やかな成長を願いつつ、この気持ちのいい季節をもう少し楽しみたいと思います。
協会認定マナー講師 馬場敏子
ことばと同様に思いやりの心も伝わっていくと感じています。心こそ大事であると子供に伝えられるマナーズは自らも学ぶ事がたくさんあります。我が子に伝えられる自分になりたいと思い受講しました。