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ブログ15 春の行事「入学式のマナー」

ブログ15 春の行事「入学式のマナー」

新年度が始まり、新元号も決まりましたね。

子育てをなさっている皆さんにとっては、4月はやはり始まりの月。特に入学式をお迎えになる皆さんは、この節目を晴れがましいお気持ちで迎えられたことと思います。

 

この時期によく目にするのが、「入学式の服装はどうするか?」という記事。

マナーは、心が形を作る場合と、形が心を作る場合とがありますが、入学式などの式典は形で心をつくることができるもののひとつです。

式典には、多くの人がフォーマルウェアを着用します。これはその式典にふさわしい厳かさを、参列者全員の協力によって演出するためです。みんなでその状況にふさわしい雰囲気づくりをすることによって、全員が改まった、厳かな心をもつことができます。

卒業式と入学式では、装いがその心情に合わせて少し異なっているのはそのためです。

入学式は、人生の新たな門出ですから、シックな中にも、清々しさと華やかさを表現する身だしなみで参列すると良いでしょう。

◎小学生の場合

小学校の入学式なら、男の子はスーツかブレザーとズボンでしょうか。女の子の場合には、スーツのほかに、ワンピース、また、それにボレロを合わせることもありますね。今は女の子のパンツスタイルも珍しくありません。

改まった服装をして、新しいランドセルを背負った姿は、周囲から見てもとてもほほえましく、また、本人も小学生になった喜びを味わえることでしょう。

 

ただ、ご両親にしてみれば、「おめかししているんだから汚さないで!」「もう少しじっとしていて!」と、心中は穏やかではないようです。今日一日、いや、せめて式典の間だけでも、お行儀よくできるかどうか、気が気ではありませんよね。

中には親御さんの方が緊張からピリピリとして、ついに怒り出し、せっかくの喜びを台無しにしてしまう様子を見かけることもあります。

せっかくのハレの日ですので、あらかじめ「先生のお話をよく聞いてね」「きちんとお席に座っていてね」と話しておくくらいで十分ではないでしょうか。あとは先生にお任せいたしましょう。

◎大学や専門学校の入学式では

中学・高校は制服がありますが、大学や専門学校では、やはり入学式の服装に頭を悩ませる方もいらっしゃるでしょう。

基本は男女とも、黒やグレー、もしくは紺のスーツです。数年後には就職活動が始まりますから、リクルートスーツを購入してしまうのもよいかもしれません。

男性の場合には、ネクタイやポケットチーフで少し春らしくしてみるのもいいですね。

女性なら、入学式にはブラウスを少し華やかにしてみましょう。あわい色がついたもの、フリル、リボンなどの飾りで、自分らしさを演出してみてください。控え目にアクセサリーを付けると、ぐっと入学式らしくなります。

いずれにせよ、せっかくのスーツ姿です。背筋を伸ばし、心身ともにスッキリした気持ちで式に臨みましょう。

 

◎保護者の服装は

男性はほとんどがスーツでしょうか。品の良いブレザースタイルでもいいかもしれませんね。

女性の場合は、派手すぎず、流行にあまり左右されないベーシックなものが無難です。スーツ、ワンピース、アンサンブルなど、デザインはいろいろ。春先には「入学式特集」のように、おすすめの組み合わせがショッピングセンターの店頭に並ぶこともありますから、参考にするといいでしょう。

ただ、主役はあくまでもお子さん。あまりにも派手派手しく、華美なものは避けた方がいいですね。そして、相当突飛でない限り、親御さんの服装などあまり周りの人は意識しないものです。手持ちのもので着回しを考えてもいいし、流行に左右されないベーシックなものを選んでおくと、小学校の入学から大学の入学までずっと使えます。

コサージュやスカーフ、アクセサリーなどで、ちょっと変化をつけると、ご自分でも新鮮に着こなせるのではないかと思います。

 

◎参列するときのマナー

式が始まる前は、携帯電話はマナーモードにするか、電源を切っておきましょう。式の前に学校側からも注意事項としてアナウンスがあるはずです。服装うんぬんより、厳かな式の途中で着信音が鳴ることのほうがずっと恥ずかしいので、何度も確認しておきます。

 

式典中の保護者同士のおしゃべりは禁止です。小声のつもりでも、静かな会場では耳障りです。私自身、式の始まる前から始まった後も、ずっとおしゃべりを続けているお母さま方に苦い思い出があります。

そのときは差し出がましいとは思いながら「申し訳ありませんが、お式の間は静かにしていただけませんか?」とお願いしましたが、お二人は気分を害されたようで、とても気まずい雰囲気になってしまったのです。今思えば、式が終わった後に「お願いを叶えてくださって本当にありがとうございました」などと感謝していることを伝えれば、お互いに気分がよかったかもしれないな、と少し反省もしています。

 

そしてもう一つ。わが子の晴れ姿を撮影したいと誰しも思います。が、この時にもまわりへの気配りを忘れないようにしたいものです。式の雰囲気を壊さないよう、自分の席から立ちあがらず、撮影するようにしましょう。

 

いずれにしても、式に臨む姿勢というものを、大人も今一度考えたいものですね。

 

入学式は、家族にとっても大きなお祝い事です。誰もが気持ちよく迎えられるよう、少しのマナーを心がけていただければと思います。

東京あたりでは桜も見頃。入学式に華を添えてくれるのではないでしょうか。

入学式を迎えられる皆様の、幸せなスタートをお祈りいたしております。

協会認定マナー講師 安達裕世

◎マナーとは他人へのおもいやり。日々の生活の中で自然に身につけるのが一番です。とはいうものの、私自身「知らない」「わからない」ことがたくさんありました。若くして身につけたマナーは一生ものです。自戒も込めて、子供たちに伝えたいと思い、養成講座を受講しました。