ブログ12 知っておきたいお正月「初詣~神社と仏閣の参拝方法の違い」
ブログ12 知っておきたいお正月「初詣~神社と仏閣の参拝方法の違い」
新年初めての外出を「初門出」(はつかどで)というそうです。皆さんはどちらにおでかけになりましたか。「初門出」が「初詣」(はつもうで)だったという方も、たくさんいらっしゃるのではないかと思います。
私も都内のお寺へ初詣に行きました。参拝者がたくさん訪れるということで、毎年テレビにも取り上げられる有名なお寺ですので、予想通りかなり混雑していました。しかし、それにもかかわらず、誘導の方のしっかりとした声かけもあり、皆さん整然と並び、列はスムーズに進んでいったのです。
そのおかげで、私たちが思っていたよりもずっと早くお参りすることができました。新年早々、皆さんのマナーのよさに、清々しい気持ちになったものです。
さて、初詣とは、大晦日の夜から元旦の朝にかけて、その土地の人々を守ってくれる氏神様の社(やしろ)に籠(こも)る風習(年籠り)が起源といわれています。現在では、元旦から松の内の期間内にお参りに行くことを、一般的に初詣と言っていますね。
初詣は、いきなり遠くの神社仏閣に行くのではなく、まずは地域の守り神である氏神様(近くの神社)や、菩薩寺へお参りするようにしましょう。お参りに行く回数に決まりはなく、神社とお寺両方へ参拝してもかまいません。これは大陸から伝わった仏教と、日本古来の神道を融合させた「神仏習合」(しんぶつしゅうごう)が基になった、日本独特の文化だそうです。
ところで、神社と仏閣では、参拝のしかたに違いがあることはご存じでしょうか。下に簡単にご紹介しておきます。
◎参道を歩く時
神社:本殿に向かう参道の中央は「正中」(せいちゅう)といい、神様の通り道とされています。中央は避けて左右の端を歩くようにしましょう。ただ、初詣などで混雑している場合は、係の方の誘導に従いましょう。
仏閣:参道のどこを歩くというきまりはありません。
◎参拝
神社:お賽銭(さいせん)を納めて鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼(2回おじぎをし、拍手を2度打つ。お参りをした後で一礼をして戻る)のが基本です。ただし、出雲大社など、これとは異なる参拝のしかたをするところもあります。拍手(かしわで)を打つのは、氏神様への合図といわれています。
仏閣:お賽銭を納めて一礼し、合掌したのち一礼します。拍手は打ちません。
お賽銭は、神社では「神様へ捧げるもの」、仏閣では「お布施(他の人へのほどこし)であり、欲や執着を手放すための修行のひとつ」とされています。どちらの場合も投げ入れるのではなく、賽銭箱へそっと入れるようにしましょう。
また、「恵方参り」という、江戸時代より伝えられている風習があります。これは、お正月にその年の恵方(吉方位)にある神社仏閣へお参りすることでした。でも、最近ではお正月に限らず、一年を通じて恵方参りを勧めるようになっています。2019年の恵方は東北東だそうですから、今からでも、ご自宅から見て恵方にある神社や仏閣にお参りにいらしてはいかがでしょうか。
協会認定マナー講師 村上智美
思いやりの心を大切にするマナーを勉強することで、自分の気持ちを上手く伝えつつ、周りの人々と良いコミュニケーションを図ったり、自分自身も成長したいという気持ちから、講師養成講座を受講致しました。