ブログ11 知っておきたいお正月 「お年玉」
ブログ11 知っておきたいお正月 「お年玉」
子どもたちにとって、お正月の一番の楽しみは「お年玉」ではないでしょうか。
今は渡す側になった私も、子どもの頃は「今年はいくらぐらいもらえるかな?」「もらったお年玉を何に使おうかな?」と、ワクワクしていたものです。
でも、もともとお年玉は、現在のような子どもへのお小遣いではありませんでした。
前回のブログにも書いたのですが、お正月飾りの鏡餅には歳神様の魂が宿ると考えられています。お年玉というのは、そのお餅を家の「家長」から「家族」へ、または「主人」から「雇い人」へ、分け与えたのが始まりといわれています。
家族や雇い人は、その餅をお雑煮として食べることで、新しい年1年分の神様の魂(健康や活力)をいただくことになる、というわけです。お年玉には、「家族(雇い人)が1年を幸福に過ごせますように」という家長(主人)の願いが込められているのです。
このように、お年玉は「目上から目下へ渡すもの」とされていますので、目上の方にお年玉を渡すのは失礼にあたります。皆さんの中には、年始にあたり、おじいさまやおばあさま、ご両親などに、心ばかりの現金を包んでいるという方もいらっしゃるかもしれません。その場合には、表書きを「お年賀」や「お年始」とするといいでしょう。
また、上司のお子さんなど、目上の方のお子さまへ渡す時にも、お年玉ではなく「お年賀」や「玩具料」としておくのが、礼にかなっていると言えます。
お年玉袋はさまざまなデザインのものがありますので、お子さまが好きなキャラクターなどを選ぶといいでしょう。お年玉袋に入れるお札の折り方は3つ折りが基本です。表(肖像画がある方)を上にして、左側→右側の順に折ります(右側が上になるように)。
お年玉袋には、渡す相手の名前や自分の名前を書かなくても、マナー違反ではありませんが、兄弟姉妹のいる人は、自分の名前が書かれていると嬉しく感じるようです。書く場合には表面の真ん中に相手の名前を書くのは避けましょう。袋の表面左上に相手の名前、裏面に自分の名前を書くのが基本です。
お年玉を渡す時には相手の親御さんがいる場で渡すようにします。お子さまによっては、いただいた事を親御さんに伝えなかったり、遊んでいるうちに失くしてしまうおそれがあるからです。ご自分のお子さんには、「何かいただいたら、必ず親に報告すること」を習慣づけておきましょう。また、何か頂いた時には、恥ずかしがらずにきちんとお礼を言えるようにしておくことも大切です。
来年のお正月には、これらを意識して、笑顔で新年のお福分けを楽しんでくださいね。
協会認定マナー講師 村上智美
思いやりの心を大切にするマナーを勉強することで、自分の気持ちを上手く伝えつつ、周りの人々と良いコミュニケーションを図ったり、自分自身も成長していきたいという気持ちから、講師養成講座を受講致しました。