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座席の譲り方・譲られ方

座席の譲り方・譲られ方

先日、バスの車内で次のような光景を目にしました。

杖を持たれた高齢の方がバスに乗ってきました。あいにく満席です。高齢者は、バスの壁に寄りかかり杖で支えながら立たれました。次の瞬間、スマホをしていた若い女性が、手を止め見上げた時にその人に気づき、速やかに立ち上がって「どうぞ」と声を掛けました。気になっていた私もホッとしました。ところが、譲られた高齢の女性は「大丈夫です」と断ったのです。多分もう一度「そう言わずにどうぞ」と言ってくれるものと思われたのでしょう。しかし、今の若い方は素直というか、あっさりしたもので「そうですか」と言って座り、スマホを再開してしまいました。次のバス停で、スマホの女性の後部座席の人が下ると、杖の高齢者はすぐに座りました。やはり「大丈夫」ではなかったのです。

お読みくださっている方は、席を譲ったことはありますでしょうか。この頃は、もっぱら譲られるばかりという方もいらっしゃるかも知れません。

若者が席を譲らないということを口にする方が、けっこういらっしゃいますが、よくよく見ておりますと、若者ばかりでなく中年の方も熟年者でまだまだお元気な方も、席を譲る方は本当に少ないように思います。

これまで何度か勇気を出して声を掛けたことはあるけれど、「大丈夫です」と断られた経験から、もう席を譲るのは止めたという人も多いように思います。断られると勇気を出した分何となく気恥ずかしい思いをするものです。

席を譲られる年齢でもないのだろうか、譲ったら失礼だろうかと思い悩みながら、機会を逸してしまう人もいることでしょう。

席を譲られたら、頑張らずに遠慮なく座っていただきたいと思います。中高年になって席を譲られたら、レディファーストだから?とか、人生の先輩として一目おいて譲ってくれたのかな?など自分の都合の良いように解釈なさって、素直に譲られてほしいものです。

人の好意を素直に受けることは、若い人のおもいやりを伸ばすことになり、後世をよくしていくことに繋がります。

中年の方、元気な熟年の方も、目の前にいる方をご自分の親御さんだと思って積極的に譲ることを心がけてほしいものです。

譲るにしても譲られるにしても、一瞬の出会いを大切に心温まる会話ができると良いですね。