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礼節という言葉

礼節という言葉

人との接し方

この頃は、礼節という言葉をあまり使われなくなっていますが、
礼儀、作法、礼節は、中国から伝わってきた言葉です。
日本に古来から伝わっている礼儀作法は、朝鮮半島や中国から
学び真似ながら、少しずつ日本独自の様式を確立してきました。

公家が中国の様式を取り入れ、公家の警護役だった武士が、
武家を作り公家に倣いながら、武家の礼法を確立しました。

室町時代、武家の礼儀作法を確立したのが伊勢家です。
足利将軍家の礼儀作法を司っていました。
やがて、吉良家や一色家、小笠原家など高家と言われる
いくつかの流派も確立されました。

江戸時代中ごろの、礼儀の第一人者として、この人の
右に出るものはいないと言われた「伊勢貞丈」が
弟子に伝えたものを、弟子たちがつづりまとめた
「貞丈雑記」には、礼節について以下のように記されています。

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礼節という事、貴き人をばつつしみうやまい、いやしき人をあなどらず、
同じ位の人をば人を先立てて我はへりくだるを礼と云うなり。

うやまうまじき人をうやまうは、へつらいなり。
いやしむまじき人をいやしむるは、おごりなり。
へつらいもなく、おごりもなく、その身の位相応にして、
過ぎたることもなく、及ばざる事もなく、よき程なるを
「節」と云うなり。(「節」の字を「ほどよし」と
よむなり。よきほどらいを云うなり)。
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立場の上の人を大げさに立てたり、自分より立場が下と見ると
見下すような態度を取るなどということはしたくないですね。

程よい態度が、人の信頼につながります。

良い言葉を残して下さり、有り難く思っています。