男性の握りこぶし、これってマナー?
近年、男性が椅子に座る際には、握り拳にするというのが
マナーとして広まっています。
しかし、本当にこれがマナーなのでしょうか?
日本より古くから椅子の生活をしている欧米や中国の人たちに
握り拳にするマナーはありません。
椅子の生活の歴史の浅い、日本ではいつからなのでしょうか。
幕末からの写真などを探しながら、時代を下り明治・大正・昭和の
軍人さん?かと思いきや、誰もそのようなポーズを取っている人は
いません。
皇室の方々でしょうか?
いいえ、皇室の方々も握り拳にしていませんでした。
では、いつから日本では握り拳にする慣習となったのでしょうか。
私の記憶しているところでは、結婚式などの集合写真や写真館で
撮影する際に、カメラの向こうから「男性は手を握りしめて」と
声が掛かっていたのを覚えています。
なぜ、写真屋さん達は、握り拳にさせたのでしょう?
それは、手を重ねている女性と異なり、男性は両手をそれぞれの
太ももの上に乗せた指先がバラバラに隙間が空いていて、絵になりません。
男性でも歌舞伎や日本舞踊、茶道などの心得のある人は、以下のように
無意識でも指をそろえて座ります。
そうでない男性に指先を揃えてもらう事は、短時間ではできません。
そこで苦肉の策として、誰にでも短時間にできる握り拳にするという
注文を付けるようになりました。少なくとも指がバラバラになることは
ありませんので。
では、本当に握り拳をマナーとしてしまって良いのでしょうか。
上の写真を見比べてみてください。
どちらが洗練されているように見えますでしょうか?
握り拳にしてしまうと同じ男性でも少々垢ぬけていないように見えて
しまいます。
男性も美しい所作を意識するのであれば、指先を揃えられた方が
品よく見えるのではないでしょうか。
握り拳にしていると手の中に何かを隠し持っているように見えます。
国際化の今日、外国の方々に怪しまれないような振る舞いが必要
なのではないでしょうか。
結論から申しますと「握り拳にするのはマナーではありません!」