日本の伝統芸能「落語」を伝える鈴本演芸場様
日本の伝統芸能「落語」を伝える鈴本演芸場様
日本の伝統芸能「落語」を伝える鈴本演芸場様にインタビューに伺いました。
1857年上野広小路にて軍談席本牧亭講釈場として開業以来、約150年近くの歴史がある
鈴本演芸場6代目席亭 鈴本寧様に、落語の楽しみ方や20年来続けていらっしゃる「親子寄席」を
鑑賞した子ども達の表情、公共の場のマナーとして、寄席での気になるマナーについてもお尋ねしました。
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寄席は、落語の他にマジックショーや切り絵などの芸も観られ、気楽にさまざまな芸を楽しめる庶民の娯楽の場です。
落語は退屈なものだろうと思って見に来た子ども達もいますが、途中から目を輝かせ、おとなと異なるところで笑うことがあり、
予想外の反応に驚くことがあります。落語は会話のやりとりで話が進みますので、しっかり聴いていないとわからなくなります。
子どもは、わからない部分も自分なりに話を作って楽しんでいるようです。また、わからない言葉は、後でおじいちゃんや
おばあちゃんに教えてもらう子もいて、コミュニケーションを深めるのにも役に立っています。
落語の話の世界には「いじめ」はないんですよ。
根底には「おもいやり」があって、長屋でいろいろな人からいろいろな事を教わるんです。
寄席という劇場で、困ったマナー違反は、子どもよりも一部の大人です。演目中にガサガサ音を立てたり、演者の前を平気で
横切ったり、演目が始まっているときに、高座に近い方の出入り口から出入りされると、お客様が一瞬そちらに気がゆき集中
できなくなるので、これも止めて欲しいことです。
また、絶対に止めて欲しいのは、タブレットを出すことです。光が集中の妨げになるからです。
子どもは、きちっと言えばすぐに直します。おとなが良いお手本を示していれば、子どもはそこから学び取れるのだと思います。
また、電子メールの時代になって、家庭でも学校でも、コミュニケーションのできない子どもが増えていると言います。
その点、落語は「会話の芸術」です。落語に親しんで、楽しみながら会話の「呼吸」や「間」を覚えてください。
親子寄席は、毎年8月の第三・第四日曜日に開催しています。小学生から大学生が同伴であれば、おとなも入場できます。
伝統芸能の面白さ、会話の間やテンポの良さ、楽しみながら多くの事が学べる寄席に、ぜひいらしてみてください。
親子の会話も弾むことでしょう。
鈴本演芸場席亭 鈴木様と