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ブログ9 手紙の教養 「時候の挨拶と形式」

ブログ9 手紙の教養 「時候の挨拶と形式」

今年の冬は12月らしからぬ暖かい日々が続いたかと思えば、

氷雨と共にぐっと冷え込み、寒暖の差が激しい日々が続いています。

 

街にはハローウィンからクリスマス、そして新年と行事が続くこの時期ならではの

素敵なカードや便せんが街中にあふれていて、心せわしく思いながらも、

ついつい店頭で手にとってしまいますね。

 

ここまで、形式や文字のうまい下手にこだわらず、心を伝えるお手紙や

カードを書いてみましょう、とお伝えしてきました。

 

ただ、中には大切な人に、ていねいなお手紙を書きたいけれど、

どう書けばよいかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、私が担当する最終回となる今回は、お手紙の「型」について

簡単にご紹介しておきましょう。

 

 

手紙は、次のように前文・主文・末文・後付・副文から

構成されるのが一般的です。・・・・・・というふうに書きますと、

とても堅苦しいことのようですが、下のようにとてもシンプル。

まずは、基本の形で書いてみるといいでしょう。

 

 

  • 前文

1. 頭語     拝啓・一筆申し上げます など

2. 時候の挨拶  自分が五感で感じた季節についての言葉

3. 安否の挨拶  まず、先方の様子をたずねてから、こちらの様子を伝えます

 

  • 主文

4. 起語     さて、ところで など

5. 本文     伝えたい用件・・・ここが手紙の中心です

 

  • 末文

6. 結びの挨拶  用件を結ぶ・健康を祈る言葉を添える

7. 結語     敬具・かしこ など

 

  • 後付

8. 日付     平成三十年十二月十日

9. 差出人名   ○○○○ 行の一番下にくるようにします

10. 宛名     ○○○○様・○○○○先生 行の頭にくるようにします

※相手の名前が行末に来ないように注意しましょう

  • 副文

11. 追伸     本文を終えてから書きもらしたことや添え文

※ただし、目上の人には失礼にあたります

 

頭語/結語には定型文がありますが、時候の挨拶は定番にこだわらず、

心に浮かんだ言葉を添えてみてはいかがでしょうか。

 

私たちは幸せなことに四季のある日本で暮らし、それぞれの季節の

美しさを目で見て肌で感じることができます。

 

たとえば、身近な「銀杏の木」は四季を通して

色んな表情をみせてくれます。

冬に葉を落とし寒さに耐えた木に小さな葉っぱが沢山出てくる春、

緑の葉が太陽の日でキラキラ輝く夏、黄金色に色付き始める秋、

そして冬は葉を落とし、来る春に力を蓄えていきます。

 

“一筆申し上げます。

つい先日まで黄金色の絨毯を楽しませてくれた銀杏も

すっかり葉を落とし、冬の澄んだ空にその枝を伸ばしています。“

 

このようにシンプルで身近な表現は、誰もが共感を覚えると思います。

 

あまり難しく考えすぎず、まずは一つひとつの型をなぞりながら、

心をこめて書いてみましょう。そうしているうちに、

自分なりのアレンジができるようになってくるはずです。

 

認定マナー講師 森広史栄

歳を重ねていく中で、過去に教わったことが日々の生活の中で出来ているつもりが意外と思い違いだったと気づく事があり、もう一度しっかりとおさらいしておきたい、そして子どもたちと一緒に成長していきたいという想いから養成講座を受講しました。